第33回【アシスタントブログ】『宇宙兄弟』の作画のコツ
こんにちは!『宇宙兄弟』アシスタントのカンです🥫
これまでに、45巻に関するブログを3本書いたのですが、まだ45巻が発売されていないため、リアルタイムでお見せできないのがちょっと残念です〜!
単行本派の方も一緒に楽しめるよう、45巻が発売してから公開するので、お待ちください!
ということで、今回も45巻以外のことをお話ししますね!💪
今日は、『宇宙兄弟』の作画のコツをシェアしたいと思います!
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小山先生は、松本大洋先生(代表作に『鉄コン筋クリート』や『ピンポン』)と井上雄彥先生(代表作に『SLAM DUNK』『バガボンド』など)の漫画が大好きで、
『宇宙兄弟』の連載を始める前に描いていた短編作品『ジジジイ-GGG-』や『劇団JET'S』などからも、お二人の影響を強く受けているのがわかります。
「松本大洋先生の画風はかなり個性的なので読者の好みが分かれやすいんですが、一方で井上先生の画風はより多くの読者に受け入れられやすいので、そちらを参考にしてみては?」
小山先生は連載を始めた当初、当時の担当編集サディーさんからそのようなアドバイスを受けたそうです。
そしてそこから今日までに、リアルだけどちゃんとデフォルメされた、小山先生独自のスタイルが少しずつ確立されていったんです!
カン個人の意見ですが、人種による顔つきの違いを漫画の中でちゃんと描き分けている作家さんって、実はあまりいないと思います。
そもそも漫画というメディア自体、情報を削ぎ落とすことで伝える表現なんですよね。
でも、小山先生や浦沢直樹先生のように、外国人の顔つきや雰囲気をしっかり描く漫画家もいます。
そのリアリティのこだわりが、作品の世界に厚みを持たせているのかもしれません✨
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『宇宙兄弟』の絵は、主に2種類の線で構成されています。
ひとつは、輪郭や形を描く「主線(おもせん)」。
もうひとつは、立体感や質感を表現する「調子線」です。
🖋️主線の描き方
主線は、ものの輪郭をはっきりとさせるために太めの線で描きます。
でも、全部を同じ太さで描いてしまうと、絵全体が硬く見えてしまうんです。
だからこそ、線に強弱をつけることがとっても大事!