せりかがくれた夢【宇宙兄弟があったから】
2025年5月15日。
ムッタが上司に頭突きをしてミラクルカーをクビになった日。
これをきっかけに再び宇宙への夢を追いかけはじめた、『宇宙兄弟』はじまりの日です。
これを記念して5月15日より、【『宇宙兄弟』エッセイプロジェクト みんなの心のノート】が始まりました!
『宇宙兄弟』にまつわる3つのテーマについて、みなさんの想いや体験をつづった文章を集めて1冊の「こころのノート」をつくります。
第1回は2025年7月10日しめきり!こちらからぜひご応募ください~
そして、毎年発行してきているコヤチュー部プレミアム会報誌内のコーナー【宇宙兄弟があったから】では、このプロジェクトに先立って『宇宙兄弟』とやムッタたちとの関係について、ファンの方からの想いが込められた文章を掲載させていただいてきました。
ということで、これまでにご寄稿いただいたエピソードをあらためてご紹介していきます!
第2弾の今回は、当時大学生だった方からの投稿です。
せりかがくれた夢
「人生のバイブルは?」と聞かれたら、私は間違いなく『宇宙兄弟』と答えるだろう。
学生時代から「モーニング」を読み続ける父の影響で、幼い私の側にはいつも「モーニング」があった。
だからこそ思春期の嵐の中、大人の声に耳を傾けられず、自分の存在意義や将来に悩んだとき、手に取ったのもこれだった。
パラパラとめくる中で、「兄弟二人で月面に立つ」という夢を追う真っ直ぐな目に惹かれ、単行本を大人買いした。それが私と『宇宙兄弟』の出会いだった。
当時の私は宇宙を愛する一方で、
進学校特有の圧と、人の役に立ちたいという漠然とした思いの狭間で揺れていた。
興味と使命を夢としてつなぎ合わせる術を知らなかったのだ。
その答えをくれたのがせりかだ。
大好きな宇宙を舞台に父とシャロン博士の夢を背負ってALSに立ち向かうせりか。
私が心のどこかで「無理だ」と諦めていた
「宇宙」と「医学」という二つの世界を強く生き抜く彼女は、私のヒロインになった。
そして私は医師を志した。
医学部への道は、簡単なものではなかった。
マイペースな私は努力が数値化される世界に慣れることができず、長期の体調不良にも悩まされた。
無事に合格し、入学式を迎えた頃には、私はやりたいことがわからなくなっていた。
やっと入った大学すらも辞めたいと思った。
漠々と流れゆく時間の中、気づけば『宇宙兄弟』を開いていた。
医師と一口に言っても、その歩む道は無数にある。
大学合格といったような明確なゴールはない。
そのことがさらに私を悩ませた。
しかし『宇宙兄弟』を読み直してわかったことがある。
私は自分を信じて真っ直ぐに夢を追いゴールを目指している。
互いに信じ合い、助け合う仲間に囲まれた学生生活。
せりかの背を追いかけるうちに、私の周りは幸せで溢れていた。
ここが私のもう一つのスタートだ、と思った。
シャロン博士が私に問いかけた。
「あなたにとって1番金ピカなものは何?」
そして今、私は「金ピカ」を追いかけている。
医学の勉強はもちろん、せりかも取り組んでいた宇宙医学の団体創設、途上国での医療活動、病院での漫才などにも挑戦した。
「人を愛すること。医療で世界を笑顔にすること」
これが私の金ピカだ。答えを私はまだ知らない。
「やったことの結果が誰かの“意味のあること“になる」ことを信じ、前進し続けるだけだ。
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せりかの姿に突き動かされ、金ピカを追いかけ続けているとのこと!
医学部を目指し、達成したこと。そして勉強だけでなく宇宙医学の団体創設などさまざまな取り組みに挑戦したこと……、行動力に感銘を受けます。
【『宇宙兄弟』エッセイプロジェクト みんなの心のノート】第1回のテーマは「あの人とわたし」。
せりかの姿をみて将来の夢を志した、シャロンやムッタの言葉を信じている……などなど、あなたの体験談とともに、『宇宙兄弟』に登場するキャラクターについて感じることを聞かせてください。